“いつも試合終了前に勝ったと思ってる。”
大好きなルカ・グァダニーノ監督最新作。ある一試合のテニスを通じて描かれるのは10年越しの“三角関係ゲーム”。感情や嫉妬が動き始める時のクールすぎるテクノミュージックと滴る汗に映画館で出たあとは爽やかな興奮に包まれていること間違いなしの傑作。
テニスの事を言っているようでお互いの関係性について隠喩するセリフの数々。テニスボールのラリーのように二人の間で何度も揺れ動くタシ（ゼンデイヤ）。もはや友情を超えているパトリックとアートの関係性。現実で起こったら咎められそうなそれぞれの自己欲望さえもその全てがセクシー。ほぼ三人で話が完結しているのも凄いし（他のキャラはほぼ名前すら出てこない）、マイク・ファイストの絶妙な可愛さにはファンになってしまう。テニスに全く興味なくても観終わったあとにはカッコいいなと思える。エンディングへの入り方も含めて最高でした。
