女性一人、男性二人の情熱的で濃厚すぎる三角関係、10代後半の青春期から30代はじめまでの13年間の愛憎を、男二人が女一人をめぐって真剣勝負する最後のテニスの試合の進行を軸に描き出す。こうしたスポーツ+恋愛ものは、私の嗜好外のジャンルなのだけれど、今、進行中のテニスの試合とその合間に挟み込まれる過去の三人の関係のエピソードの連携が見事だ。伏線的な場面が、きっちりと回収されていくさまは、見ていると実に爽快だった。シーンの空気を締める音楽の選曲、使い方もすばらしい。最後の最後の数秒間の凝縮力、爆発力は、最高。それまで転回していたさまざまなシーンがぎゅっと圧縮され、感情が爆発する!