ぶみ

CARモディファイズのぶみのレビュー・感想・評価

CARモディファイズ(2023年製作の映画)
1.5
モディファイできる。愛も、車も、人生も。

出馬康成監督、脚本、松本大志、大葉律、くれみわ等の共演によるドラマ。
前科者の父親のせいで誘拐されたしまった幼馴染を助け出そうとする若者等の姿を描く。
主人公となる整備士・渡辺賢斗を松本、脚本家を目指す若者・川口拓也を大場、彼らの幼馴染でカーマニアが集結する「BARモディファイズ」のスタッフ・工藤アリスをくれ、アリスの父親・俊平を玉袋筋太郎が演じているほか、石倉三郎、猫ひろし、四方堂亘等が登場。
物語は、俊平が出所してきたことを発端としてアリスが誘拐されたことから、彼女を救おうとする「BARモディファイズ」に集まるメンバーの姿が描かれるのだが、人を殴った時のコントかとツッコミたくなるチープなエフェクト音を筆頭に、低速なのにタイヤのスキール音が鳴ったり、はたまた台詞が聞き取れなかったりと、その脚本然り、演出然り、演技然り、映画としてはお世辞にも一級品とは呼べないクオリティであるのが正直なところ。
では、「クルマ好きにゼッタイ刺さる!」「世界初ジャンルのカスタムカーのドラマ」とネット上でPRされていたたため、その視点から考えると、主人公等が乗るクルマがトヨタ・クラウンピックアップ、日産・フェアレディZ(初代)に、日産・スカイライン(通称:ハコスカ)であるのに始まり、旧車やカスタムカー、デコトラとジャンル問わず、カスタムされたクルマが確かに何百台と登場するのだが、カスタムの状況や経緯の描写があるわけでもなく、そのうちの何台かの走行シーンはあるものの、終盤にあるイベント「モンスターミーティング」は、ただカスタムカーが集結しているだけで、まるで旧車の品評会のような状況であり、出オチ感満載。
なので、クルマ好きではあるものの、私には全く刺さることはなく、かといって、前述のように映画としてもはてなマークがつくような仕上がりであったため、観終わった後の何とも言えない物足りなさというか虚無感は、今年ナンバーワン。
そんな中でも、唯一テンションが上がったのは、派手なリアウイングをつけ、ロールバーも装着したトヨタ・センチュリーが敵のアジトに乗り込んでいったところであり、裏を返せば、それ以外は、もう苦笑いするしかないシーンの連続。
期待値を限りなく低くして鑑賞したものの、カスタムカーのドラマは皆無というなかなか厳しい出来栄えであり、これでは映画好きはもとより、クルマ好きを満足させるのは難しいと思う反面、先行上映とは言え、見事レビュー一番乗りをゲットすることができた珍作。

ソレックス、つけたらしいな。
ぶみ

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