けんくり

ミンナのウタのけんくりのレビュー・感想・評価

ミンナのウタ(2023年製作の映画)
4.5
GENERATIONSの「アイドル映画」と最恐の「Jホラー」。水と油みたいな二つの要素が奇跡的な融合を果たした作品。

『リング』や『着信アリ』、清水監督自身が監督した『呪怨』など、名作群のオマージュを取り込みながら、本気で怖いJホラーを現代に甦らそうとする心意気。

邦画らしくジメジメ湿度は高いものの、ジャンプスケアを多用して、ビックリドキドキのお化け屋敷映画として楽しめる。近年の台湾ホラーほどの凶悪さはないので観やすい。

ただ、これホラー慣れしてないGENERATIONSファンが観に来たら普通に泣くでしょ、、。怖く作りすぎなんじゃないかって、余計な心配をしてしまう。

とはいえ的確なタイミングで彼らの楽曲が流れたり、自然な流れでメンバー紹介をしたり、彼らの絆の深さやかっこよさが描かれていたりと、ちゃんとアイドル映画としての見所を作っているのが凄い。

現実と地続きかのような、エンディングのくだりも素晴らしかった。

この「アイドル×Jホラー」というウルトラCが両立できたのは、清水監督ならではなんだろうなと思う。

時にネガティブや文脈で、「職人監督」なんて言われていたけど、そうして与件に忠実にホラーを作り続けてきた人だからこそ、今回もアイドル要素に応えながら、良質なJホラーとして昇華する、という離れ技ができたのかなと。いろいろ感動しました。