マインド亀

SISU/シス 不死身の男のマインド亀のレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.5
●『SISU シス』観てきました!端的にいって最高でした!
監督がインターナショナルな映画になることを意識し、セリフを削ぎ落とし、潔くシンプルな作りにしていることで、めちゃくちゃ映画的に高尚な『ランボー』を観ている感じでした。
なにせ監督は『ランボー』に影響を受けて、少年時代から森でナイフと弓矢で遊んでいたという信頼の置ける男。ハリウッドのストが終わったら、『ランボー』の本当の最終作を彼が作るチャンスはないでしょうか?
そしてメインウエポンがツルハシというオリジナリティが最高です。金を採掘したり、戦車の装甲に穴を開けたり、戦闘機にぶら下がったりできるマルチな活躍から、ツルハシは一気に男のマストギアに躍り出ました。
そして金を川でさらうパンニング皿が、キャプテン・アメリカのヴィブラニウムのシールド並みに強いとは!!!

●そしてまずもってジジイのモチベーションが、「金塊を現金に変えたい」というだけのシンプルなものだけにめちゃくちゃ強固。こういうモチベーションの高いジジイを舐めるとナチスはこうなる、という教訓を得たように思います。
途中で捕虜になった女性達を助けることは、あくまで「ついで」であるところが男らしくて痺れました。
というか、ブルーノ中尉は、なんでこんなに隙が多いんでしょうか。このジジイの息の根を止めるチャンスは何度かあるのに、わざわざ縛り首にしたり、確認を怠ったり、詰めが甘すぎるんですよね。ラストの格闘シーンでも、一回一回殴るたびに後ろを向きやがるので、隙が多すぎです。一見冷徹で冷静そうに見えて、余裕かましまくりのナチスなんて本当に嫌いです。

●そして、しっかりと虐げられた女性達にナイスをフルボッコにする機会を与えるところも素晴らしい。まるでタランティーノ映画のようなケレン味を味わえます。人生一度くらいは横一列に武器を持って並んでみたいものだと思いました。

●とにかく、今年かなり上位に入るくらいのベスト作品です。これだけシンプルなのに想像を覆してきて、字幕が無くても面白い作品はそうそうないのではないでしょうか!最高です!
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