♪ ああ 叶いきった夢
ああ 変わりきった夢
笑った数だけつたい落ちてゆくNEW LIFE!
不死身と呼ばれた男VSナチス。
本作を語るならば以上で終了。
これ以降はすべて蛇足です。フィンランド産だとか、演出が尖ってるとか、そんなことは本質に影響しません。とてもシンプルな作品なのです。
物語も各章のタイトルで全て語れますからね。
第一章「黄金」第二章「ナチス」第三章…と章が切り替わるごとに表示されますので何も考える必要なし。清々しいほどまでに脊髄反射だけで鑑賞しても大丈夫なんです。
ある意味、タランティーノっぽいですかね。
それとも、ガイ・リッチーとか、マシュー・ヴォーンとか。何かあるようで何もない。監督さんの趣味が爆発しているだけの作品なんです。
ただ、他の映画と違うのは舞台設定。
何しろ、全てが“荒野”なんですね。
どこまでも広がる悠久の大地。時折、河とか森林とかも出てきますが、基本的には焼き尽くされた世界。背景からして何にもないんです。
だから、本当に清々しいんですよ。
冒頭の一文で全てが語れる作品なんて滅多にありませんからね。アクション映画とか戦争映画とか、そんなジャンル分けすら不要なんです。
言うならば、本作は映画の塊。
大きくて分厚くて重くて大雑把すぎるだけ…って何処の“ドラゴン殺し”ですか。
まあ、そんなわけで。
蛇足を書き連ねましたが、要は不死身と呼ばれた男VSナチスを描いた作品。一応、カタルシスっぽい部分もありますけど、それに期待すると罠に嵌りますから注意してください。
なお、本作の主人公はツルハシ。
シュワルツェネッガーもスタローンも、そしてトム・クルーズですらも成し遂げなかった偉業を果たしますからね。彼(もしくは彼女)以上の主人公は本作に存在しません。あの強靭さに匹敵するのは『ドルアーガの塔』のゴールドマトックくらいかな。でも、外壁に使うと壊れちゃうんですよね。