mantorukoyama

私の頭の中の消しゴムのmantorukoyamaのレビュー・感想・評価

私の頭の中の消しゴム(2004年製作の映画)
3.8
建設会社の社長の娘・スジンは、建築家志望のチョルスと出会い、恋に落ち順風満帆な生活を送る。しかし、スジンが27歳にして若年性アルツハイマー症を患い、人の名前や出来事、道順すら分からなくなり、愛するチョルスさえも忘れてしまうも、寄り添い幸せを願う悲しくも熱い恋を描いている。

若年性アルツハイマーを患ったスジンは、殆どの記憶を無くしてしまう。スジンの家族もチョルスを心配し、別れる様に説得するが、それでもスジンを愛し、寄り添うチョルス。一方で自分の記憶のあるうち、即ち愛し合った関係のまま別れたいスジンは「愛するチョルス」と書いた手紙を残して姿を消し、療養施設で暮らすこととなる。
スジンは微かな記憶を頼りに、チョルスに向けて手紙を出した。その手紙に記された消印を頼りにチョルスはスジンを探し回り、遂に彼女の元へ辿り着いた。しかし、感動の再会とはならず、スジンはチョルスの事を完全に忘れてしまっていた。
2人の関係を少しでも思いだして感じて欲しい一心でスジンを施設から連れ出し、出会ったときのように、コンビニの入り口でスジンに缶ジュースを渡した。しかし、それを受け取らずに彼女は店内に入る。中には彼女の家族や主治医たちが出迎えた。

「ここは天国なの?」とチョルスに尋ねるスジン。チョルスは笑顔で「はい」と答え、スジンも涙を流した。その後ふたりは手を取り合って車に乗り込み、チョルスは「愛してる」と初めて口にし、スジンは彼を抱きしめた。記憶ではなく本能で愛を感じた2人だった。
 
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Best scene!!

気まぐれのように思い出すチョルスとの記憶。その儚くて脆い思い出にスジンは必死にしがみつき、チョルスに愛のメッセージを書き留める。

「私の心の全てを伝えたいけど、記憶が確かな時間にどうやって伝えたら良いのかと焦ってしまう。
私スジンはチョルスだけを愛しています。記憶が消えるのが怖い。私の気持ちを全てを言葉にしたいのに。
愛してる。ごめんなさい。あなたに逢えたのは人生で一番の幸せ」

このシーンは大切な人に愛を伝えられることは幸せで、この喜びに勝るものはないの強く訴えかけている。

1.ジャケ写 3.7
2.緩急 3.6
3.構成 3.9
4.関心度 3.7
5.登場人物の個性 3.8
6.独自性 3.9
7.社会性 3.9
8.映像 3.6
9.音楽・SE 3.7
10.エンディング 3.9

3.77
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