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発狂する現代史 Part1の消費者のレビュー・感想・評価

発狂する現代史 Part1(2014年製作の映画)
3.7
・ジャンル
アニメ/ドラマ

・あらすじ
2年以上に渡ってセフレとして会い続けていたミンジュとヒョンデ
その関係は行為中にヒョンデが結婚を告げた事で解消される事となる
ミンジュは孤独を埋める様に自身に想いを寄せる友人、フンとセックスをしない約束の下に同棲を開始
フンは健気に彼女を思い続けていたがそんな純情な恋心を他所にミンジュは既婚者の恋人、チョルスと逢瀬を重ねていく
一方、ヒョンデはミンジュとの関係に未練を抱きながらもイラスト講師の仕事で出会った主婦の女性を皮切りに次々と手を出していく
その頃、彼の妻であるスニは邪険に扱われ孤独な思いをしながらも夫と幸せに暮らせる日を待ち続けていた
やがてそれぞれの人物の関係は彼らも知らぬ所で交錯していき…

・感想
製作及び脚本を後に「新感染」を手掛けたヨン・サンホが担当した社会派アニメ作品
性に溺れる者達と振り回される者達が孤独を噛み締めながら、それぞれ違う物を待ち続ける物語
本シリーズは3部作で1作目のこちらは3話で構成されている

韓国のアニメ作品だと「整形水」と「新感染」のOVAくらいしか観た事がなかったけどこれはこれでなかなかの出来
登場人物がクズなヤリチン/ヤリマンと純粋過ぎて不器用な人達しかいないので真っ当な人間には誰にも共感は出来ないもののだらしない性的関係を変に美化する事なく醜い物として描いているのがさすが韓国!という感じ
絵面の綺麗な場面も多いのに美しいと感じられない胸糞の悪さはハン・ソヒとソン・ガンが主演を務めたドラマ「わかっていても」に近しい物があった

絵のタッチは前述の韓国アニメ作品と同様に背景を除いて日本に比べるとチープさがあるものの、それが逆に生々しさを強調していて独特
また話の肝であるセックスの描写もAVの禁じられた国とは思えないほど極めて生々しい
AVが無い分、映画でも結構ドギツい事(「お嬢さん」とか…w)をしがちな韓国だけど逆にこれが許されて何でAVがダメなのか疑問しか湧かなかった…w
キャラデザが簡素なのに声や動きがリアルでロマンポルノ的な雰囲気があってちゃんとエロいのがまた…
それでいて社会派とされるだけあって話自体も妙にリアルなんだよな…

とにかく数少ない良心である純情なブ男、フンと都合良く扱われるヒョンデの妻、スニがひたすら不憫!
主人公がこんなに応援出来ない作品も珍しい…w
尺が1時間と短いので気軽に胸糞を楽しみたい人にはオススメ
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