フクイヒロシ

マン・オン・ワイヤーのフクイヒロシのレビュー・感想・評価

マン・オン・ワイヤー(2008年製作の映画)
5.0
映画っていいなぁと改めて思った。

安定した社会を一生懸命作ろうとする理性的な一面も人間にとってとても大事だけど、「っんなもん知ったことか!」と理屈から外れたところで暴れたい人間の一面さえも、芸術は讃えてくれる。

綱渡りを終えて逮捕された男にマスコミは「なぜこんなことを?」と何度もマイクを向ける。
男は「理由がないから素晴らしいのに…」と思う。

理由は人を安心させる。
理由がないことは人を怖がらせる。

恐怖には興奮がある。



男を逮捕した巡査の「すごいものを見た。一生に一度のものだ」という言葉が印象的。

一応警察官という職務もあって彼はカメラの前で淡々と無表情で答えていたけど、ほんとは今だに酔っ払ったりするとおそらく「おれはあれを一番近くで見たんだぜ!凄かったんだぜ!」と自慢しているはず。

この巡査、メキシコ系に見えたのでこの役はマイケル・ペーニャにやっていただこう。

で、『ザ・ウォーク』を観ればいいのね。