実に面白い娯楽映画だった。
大満足。
まず、何はともあれカトリックは格好いい。これはもう文句なしに圧倒的に格好いい。
教皇や司祭らの服装、壮麗な建築、厳かな聖句と儀式。全てが美しく格好いい。
思想や歴史に立ち返れば色々言いたいこともあるが、それでも一も二もなく感服してしまうのは、流石カトリックと思わざるを得ない。
マルケータ・ラザロヴァーを観た時にも思ったが、この有無を言わさぬ格好良さ・美しさというのがこの宗教の根源的な力の一つなんだろうなぁと感じた。
そんな雰囲気たっぷりでバチバチの彼らが巨大な悪と正面切って戦うというのだから、それが面白くないはずもない。
物語の山場もいくつも用意されており、恐怖や謎といったエッセンスもバランス良く盛り込まれている。
スペイン異端審問の罪を悪魔に擦り付けたのはかなり傲慢で引っかかる部分だった。
とはいえ「歴史の悲劇の裏に巨大な陰謀の影」というのはフィクションによくある手法ではあるし、ヴァチカンに潜り込むという悪魔の遠大な計画は、敵の格の高さや手強さを上手く表現できる効果的で面白いプロットだったので、フィクションであることを割り切って見れば全然ありだと思う。
ぜひとも次回作を作ってほしい。
