ありきたりなストーリーと丁寧すぎる伏線のおかげで展開や結末はすべて読めてしまうし、るきくんの台詞回しは多少ぎこちない部分もあったけど、それでもやっぱり酒井監督の作品だからどのシーンもきれいでよかった。
なによりりんくまちゃんがかわいい。いつもにこにこしているか困り顔で、お人好しだけど、芯のある女の子を演じさせたらりんくまちゃんの右に出る者はいないと思う。
あとは、自転車ニケ、廃墟への不法侵入、屋上のアジト化など全体的にリアリティの薄いファンタジー設定が多いのにセメントベビーのいるステップファミリーにおける連れ子の居心地の悪さだけやけにリアルで胸がギュッとした。
2019年公開の『ホットギミック』なんかもそうだけど、あまりに身に覚えのある感情でつらい。