hari

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのhariのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

「娘の性器は禁猟区よ」

配役と斬新な設定、オチは面白かった。
主人公役の子、脆くて不安定で妙な色気がある女の子の雰囲気を醸し出すのうますぎる。周りを巻き込んで自滅するタイプ特有の、破滅的な危険なにおいがするのにどうしてか気になって放っておけない、いわゆる彼氏のそばにいてほしくないタイプの子って感じが常に出てて、意識的にやってるならすごいなあと思った。

親友役の子もよかった。自分で決めた線はきっちり守るタイプの真面目な感じがよく出ていた。彼氏役もあってる。根がいい人で、主人公みたいなタイプを放ってはおけないけれど、彼女を支えていく強さはなさそうな(あの年頃だとそんな強さを持ってる方が稀だと思うけど)。
彼らの友達の子たちも嫌なくらいに合ってた。メイキングを見たら、時間をかけて役にぴったりな俳優を選んだとあり、納得。


ドラッグ代わりに憑依をキメる設定はめっちゃおもろい。今まで観てきたホラー映画だと、「試しにやってみたけど何もなかった!と思ったら……」展開だったけど、今作は百発百中でキマる。誰がやってもキマる。すごい。愚かな若者が遊びで憑依にのめり込む設定も新しい。度胸試しの域を飛び出してハマるさまが本当にドラッグ。

にしても海外の高校生ってリアルでもこんな感じなの?馬鹿な若者のノリが正直見ていられない。
危険を共有して仲間としての結束を深めるとか、危険なことに手を出すことが成長の証になるみたいな、そういう文化があるのかな。

ああいう場で周りに流されないタイプの人の方が好感持てるけどな。小中学生くらいまでならわかるけど、ほとんど高校生でしょ?うーん。
簡単に人にカメラを向けたり動画を投稿したりして面白がるのもなあ…。

あの中ではジェイドがいい子過ぎた。なんであんな人たちとつるんでるかは分からないけど。真面目なのを馬鹿にされてたけど、堅くていいんだよ、と言ってあげたい。

日本でも、若い頃は真面目だとかお堅いタイプはからかいの対象になりがちだけど、本当にそのままでいいからねと言いたい。たまに羽目を外すのは確かに楽しいけど、周りに流されるよりも自分の心身を大事にしてほしい。ほんとに。人間関係は新築可能だけど、心身はひとつだけだから。

オチも良かった。今度は自分が遊ばれる側になるのね…。


でもいつも思うけど、ホラー映画とかで人を轢いてしまう人たち、めっちゃ可哀想。何なら作中で一番可哀想。
hari

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