KUBO

12日の殺人のKUBOのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
3.6
「殺された理由わかる? 女の子だからよ!」

変わったミステリーだなぁ。事件が解決しないミステリー。

少女がオイルをかけられて焼き殺されるという凄惨な事件。これは実際にあった事件ということだが、本作はこの事件にインスパイアされて作られたフィクション。

捜査をすればするほど、少女の男性関係が赤裸々になってゆき、犯人逮捕のために被害者の尊厳が貶められていく構図が興味深い。

日本の刑事ドラマのように、事件解決のために刑事たちが血眼になるようなドラマではなく、残業とか離婚とか結婚とか、刑事たちの日常を描きながら、ある意味捜査が業務のように描かれる温度感もおもしろい。

男ばかりを疑っているけど、当日の被害者の動きがわかってたのは女友達なんだから、どうしてそっちの聴取をしないのか(?)なんて思って見てた。

実際に解決されていない事件を、解決されないままに、そこに携わる人たちにフォーカスして映画化するという一風変わったミステリー。味わいはあります(が、当然スッキリはしませんw)。
KUBO

KUBO