たかちゃん

12日の殺人のたかちゃんのレビュー・感想・評価

12日の殺人(2022年製作の映画)
4.1
見ていて、「殺人の追憶」を想起した。迷宮入り。サスペンスとコメディの融合。そこは共通しているが、韓国作品には冷ややかさがあったが、本作はどことなく明るさがある。
容疑者の証拠、アリバイの壁。容疑者の部屋からガソリンの容器を発見しても、容疑者の妻は「しみ抜きに使っている」と言う。別の容疑者の犯行時間については、「猫の看病をしていた」と容疑者の妻が言う。容疑者は全員クロなのだ。だが、捜査は行き詰まり、それから3年。本作はそこから力強さ、強度をみせる。それは女性判事と女性警官が登場してからだ。女性判事は盗聴と隠しカメラの使用を推奨する。女性警官はデータを調べ、容疑者を絞り込む。判事の積極的な提案と、女性警官が参加してから、捜査は大きな進展を見せる。
短絡的に言えば、フェミニズムの要素がかなり強い。「女性だから殺された」ことに対する逆襲になる。女性がいて、捜査が進展するのだ。
刑事たちは捜査に熱心だが、やり方が過激な刑事もいる。そのために対立、ぶつかり合いが起きる。その性格の違いが刑事たちの人柄を面白く表現している。明るいフィルムノワール。
たかちゃん

たかちゃん