うみんちゅ

片思い世界のうみんちゅのネタバレレビュー・内容・結末

片思い世界(2025年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

がっつりネタバレ書きます。

めちゃくちゃ疑いながら最初から見てました。まず、典真がおらんくなってから大きめの男性が美咲の前に現れた時、典真はタイムトラベラーなんじゃないかという考察。みんなが典真のこと知らない感じ出してたから、美咲のイマジナリーフレンドなんじゃないかという考察。そして大人になった優花とさくらがあまりにも無視されているから、2人は死んでるんじゃないかという考察。それに加えて3人とも死んでるんじゃないかという考察。美咲は仕事場で浮いてて、優花は大学であまりにも1人で、さくらは水族館であんまり輪に入れてないし、冒頭に落ちたぬいぐるみみたいなのを拾わなかったこと。いろいろあるからそれが濃厚ではあった。
最初からずっとそんなことを考えてて、決め手になったのはバスに美咲とさくらが乗せてもらわれへんかったシーン+さくらの声かけに典真がまったく気付かへんかったシーンで2人じゃなく3人とも死んでるのが確定(美咲が死んでて優花が死んでないパターンはないと思ってたから)。
冒頭シーン、12年前に合唱スクールで無差別殺人が起きてその被害者が3人やった。ちょっっっとだけネタバラシするのは遅いかなと思ったけど、なんの疑いも持たずに観てる人が気付く限界なんやろう。ネタバラシのやり方も綺麗で、静かであるべきピアノの演奏会場で騒いでるさくらを誰も気にしてないことで確実にわからせた。もちろんちゃんと説明もあった。
でもこーゆー映画を観てきたからこそ、この時点で生まれた疑問は少なくなかった。3人が物を持ったりした時にみんなどう見えるんやとか、なんでそもそも物を持ったり食べたりできてるんやということ。この3人はシックスセンス同様にドアを開けたりはできひんぽいけど、普通に暮らしてるし、成長してる。口内炎もできてるらしいし。でも飛んだり、すり抜けたり、瞬間移動したりはできひんみたい。
その疑問を答えるために優花は大学で勉強してたのもおもろい。

現実世界: 層①
美咲と優花とさくらがいる世界: 層②
とします。
そして2つのルール
[層②で起きたことは層①では起きていないルール]
例えば層①と層②のどちらにもあるテーブルの上のリンゴを層②におる3人が投げたり食べたりしても、層①のリンゴは動きもしてないということ。つまり3人は層①にまったく干渉ができひんこと。あとでも書くけど、これを貫いたのは素晴らしい。
そして
[3人は層①の人とぶつかったら突き飛ばされちゃうルール]
つまり人やモノをすり抜けたりはできひんということ(終盤でさくらが車をすり抜けてたように見えたけどあれは角度の問題かも?)
これはおそらくやけど、無駄なCG使わんくて済むからこのルールは制作勢にとってめちゃくちゃありがたかったやろう。もちろんそれによってSFすぎなくなるから良いルール。

美咲は典真のことが好きやけど絶対に思いが届くことはないと思っててバスとかスーパーで見てた。子供の頃に典真は美咲をあのスクールに誘ったことと、お腹空いてる美咲のためにコンビニで肉まんを買ってる時に犯人が来て殺されたこととかを1人で背負ってる典真が、昔美咲が書いてた劇を大人になった典真が読んで、目の前におる美咲がその劇のセリフを言うあの時間は、一つ目のルールの存在を最後まで守ったからこそ生まれた良いシーン。あの時間だけは層なんてないと思わされた。

優花は母親をたまたま見つけてついていってしまう。優花は母親のことなんでもわかってた。でも母親は再婚して子供がおることを知る。その時の杉咲花ちゃんの演技がえげつなかった。優花は、車の中に置いてけぼりにされた見ず知らずの赤ちゃんは助けようと必死やったのに、母親の新しい子供が危険になっても助けようとせんかった。そら嫉妬でしかないよな。ほんで母親がクッキーの形を選ぶときも、星型ってすぐわかったし、私は三日月型って言うけどその声は届かない辛さ。あそこほんまにすごいシーンやった。

さくらは、自分らを殺した犯人が出所したから会いにいった。ホラー映画はまったく怖くないさくらやのに、増崎に対しては恐怖を感じてた。そして弁当を笑って食べてることに怒りを感じてた。ああいう奴がご飯食べるのはいいとしても、美味しいご飯食べてお腹いっぱいになるのは許されへんよな。

そして事件は起きる。優花の母親が増崎に会いに来た。そらそやねん、誰が許せるねんあれ。増崎の反省してなさがめちゃくちゃ良い演技。腹立ったあれは。ブチ切れた母親が増崎を殺そうとするけど、逆に殺されそうになる。3人は全く干渉できひんから願うしかない。母親は娘たちを逃がしたいと思ってることも良い。母親が道路に出た時、増崎に対して、車ぶつかれとおもってしまった。案の定車がぶつかって死亡(?)。そんな時に優花の母親が握りしめてたのは、三日月型のクッキーやった。優花のことをもちろん忘れてなかったし、全部わかってた。このシーンのための伏線シーンすら良いってほんまに坂元さんの頭の中が整いすぎてる。

そして津永という希望の存在がいることは、必要ちゃうやろって言う人もおるかもやけど、俺はおってよかったと思う。最初から朝のラジオで伏線張ってて、聴いたことある声やなとは思ってたけど、何回も名前を言うことと松田龍平やんってなってからキーパーソンではあることが確定。もしかしたら津永は別の層から層①に来た人なのかもしれへん。最後まで津永が何者なのかは確定できひんけど、いい要素ではあった。層①に帰る方法を知った3人が、実行するけど層①に帰られへんとわかった後に絶望せずに笑う3人は良かった。3人は3人で暮らしていくねんから、これでいい。

そもそも3人が良すぎる。最初のサプライズのとこもいいし、ご飯食べるとこも、3人で寝転んで亀を見てる時間も、合唱するとこもめっちゃ可愛かった。

あと3人以外の全員、3人がおらんように演技するのむずかったと思うけど、完璧でした。子供達もすごかったです。

なによりも、奇跡的に"典真にだけ/母親にだけ/犯人にだけ"干渉できた!!!みたいなのがないのはすごい良い。こーゆー映画って、それしたいはずやねん。それで簡単に感動を生ませれるから。でもそれ我慢したのはほんまに評価でしかない。あくまでも一つ目のルールは守るという想いを強く感じた。
だからこそ、よくある良い作品じゃなくて上質な最高の作品になってた。

「この映画のストーリーには"ある秘密"があります。
広瀬すず、杉咲花、清原果耶」
次の作品レビューでも、何卒。

noteでもレビューをしています!
https://note.com/umintyu1018
うみんちゅ

うみんちゅ