予告を観て「めちゃんこ面白そう!!」と猛烈に惹きつけられたのに、どうも評判が良くなかったので劇場スルーした作品。
監督/脚本/原案/プロデューサー/撮影監督/編集と一人六役をこなすは「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「スパイ・キッズ」シリーズの監督ロバート・ロドリゲス。
最愛の娘が行方不明となり、いまだ失意の底にいる刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)。彼は匿名の通報を受け、銀行強盗の現場に向かう。犯人が狙っていた貸金庫の中から出てきたのは娘の写真。そして、人の心を操る謎の男が現れて—— 。
原題は"Hypnotic" =催眠術。
これは原題のままの方が良かったかも。
オビ=ワン・ケノービがフォースで人の心を操るが如く、Hypnoticの能力者に暗示をかけられた人間は、完全にその行動を操られてしまう。そして暗示を掛けた側の能力者が作り上げた"構築世界"という設定。この辺りの世界観は好きだし、能力系は大大大好物なので、テーマとしては大変よろしい。
しかしだ。
どうも評判が芳しくない理由もよく判る。
クリストファー・ノーランの「インセプション」やMCUの「ドクター・ストレンジ」の如く、万華鏡の様に天地がひっくり返る映像。既視感がハンパない。ロバート・ロドリゲス、この作品に構想20年を費やしたそうだけど、その20年の間に貴方のアイデアは先に映像化されてしまったのよ。
そして、催眠術が解けた=構築世界のネタバラシ的な舞台裏があまりにも…
し ょ ぼ 過 ぎ る ッ ッ ! !
車に乗っている=ゴルフカートに乗っている、"BANK"と書かれたハリボテ…。何だよこのおままごとの様な舞台裏は。ダメだ、個人的にはここで興醒め。
構想20年掛けたのなら、もう1年でも2年でも掛けてでも、もうちょっとカッコ良く仕上げて欲しかった。
ある意味、凄く惜しい作品。
一応言っておくとベン・アフレックに罪はない。