さくぞー

窓ぎわのトットちゃんのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ほぼ半々で大きく様変わりする作品。前半の日常から後半の戦争突入。
戦争が出てくる作品は、第二次世界大戦半ば〜終戦あたりが舞台となり直接戦争に関わっていた男性が主役であることが多い(それ自体は悪いことではない)イメージがあるので、普通に生活していた市民(しかも裕福な女性)が戦争に突入していく時代に巻き込まれていく様はあまりない視点で非常に貴重だと思う。
今は世界情勢のニュースでも戦地となった悲惨さが押し出されるが、戦地でなくとも日常がじわじわ奪われていく感覚を改めて恐ろしいと思わされた。
個人的には原作を読んでいなくてよかった。

最初の小学校に馴染めないところも、いじめられてたり先生が嫌な人とかじゃなく、トットちゃんが自由すぎるだけで安心した。
しかし小2から電車通学とかしっかりしすぎだろ。
前半は無邪気で素直な子どもたちと、それを暖かく見守る優しい大人たちの交流に癒される。うんこシーンめっちゃ好き。
戦争突入してからはストレスな描写も増えるが、あれは国全体の精神病みたいなものなので、基本いい人ばかりなのも良かった。

アニメーションとしても今年の作品の中でも圧巻で、温かいベースの絵柄から、古今東西の絵本を集めたようなイメージシーンは心情を表す描写として素晴らしかった。

前半は暖かい日常を楽しく鑑賞し、後半は反戦のテーマが強く胸を打つ。原作の素晴らしさをアニメーションとキャストの演技で老若男女に届く作品として高い完成度がある。
これは前回以上に日アカのアニメーション作品賞は混戦になりそう。ゲ謎に続いて売れて欲しいね〜どうだろうね〜。

映像:=======S
脚本:======A
編集:======A
俳優:======A
人物:=======S
音楽:=======S
音響:======A
【MVP】小林先生
さくぞー

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