さくぞー

ペナルティループのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

ペナルティループ(2024年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

今年の映画館での新作50号!
年一くらいでくる短尺インディーズタイムループ邦画。どれも「まだこういう切り口があったか」と言われているが、個人的にはタイムループという構造自体にメタ的に崩しにかかっている本作が一番斬新なものを観たという感覚だった。他(MONDAYSやリバー、ハッピーデスデイ等)はあくまで既存のタイムループのパブリックイメージの中でどう新しくするかというイメージ。

しかしそう考えると、最後まで観てみると本作はタイムループとカウントしていいのか+SFとしての強度という面では少し疑問も残る。また、唯や砂原の現実世界でのことについて分からずじまいな消化不良感もある。これについては、リハビリのシーンで描かれている通り、分からないものは分からないって話なんだろうけど…。ここらへんで☆4.0は超えない。どうしてもタイムループとして期待しちゃうからね。

多分監督的にはタイムループものだけど、タイムループで面白くしようとはしていない。テーマを観客に伝えるのにタイムループが都合よかったから使ってるだけという感じ。

それでもめっちゃ面白かった。とにかく観ている最中リアルタイムでの面白さや意外性は今年の映画の中でも屈指。途中までは☆4.2くらいまでいくかなあと思いながら観てた。
タイムループ復讐ものだが、ベースにラブコメのテイストがあってシュールなコメディとしても良かった。それどころか『フリー・ガイ』的な部分も。

また、あれだけスローペースな序盤だったが結果99分でこの満足感の編集もお見事。
『人数の町』同様、現代だけどSFを感じられる画面づくりは流石の作家性。
キャストも全員完璧。伊勢谷友介が神尾佑みたいになっててマジで分からなかった。
タイトルの出し方、終わり方も好き。

映像:======A
脚本:=====B
編集:======A
俳優:======A
人物:======A
音楽:====C
音響:======A
【MVP】砂原登
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