さくぞー

ミッシングのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

そろそろ『空白』も観れそうです。めちゃくちゃ描いてるけど、𠮷田監督は人間を信じている。自分たちも信じなければいけない。

凄かった。もちろん、このトーンの映画を120分ちゃんと観れる構成力がそもそもエグいのは勿論、ちゃんと予告とかチラシで煽られてる気持ちを全部感じられた。監督の作風含めて、スカッとする展開や衝撃の犯人のミステリーとかじゃないのは分かるのにしんどいけど観ていられる。
出ずっぱりの石原さとみ、青木崇高、中村倫也が全員完璧に役割をこなしていた。

いや、でも書くのが難しい。人間が心を失わないための最後のライン。どれだけ荒れたとしても、根っこの部分で心を失わなければ少しでも光が差す。宇野さくらちゃんの事件が起きた時、「同じような人間がいると安心する」系の方向にいくのかなあと思ったけど、見つかった時に最初にあの言葉が出るような人間性だから終盤ああいう繋がりが出来る。豊さんと同じく「お前やっぱすげえよ」ってなった。しかし、圭吾への暴言連発LINEは擁護できない点でもある。↑でああいう風に書いたけど、荒れてる時にはどんなに根が優しい人間でも前が見えなくなるもので、こういう相手が最期の手段を選ばなかったからよかったものの…な出来事って自分たちも今までの人生で何度もギリギリ回避してきたんじゃないかと思う。そこが円環構造と言っていいものか、主人公が受けてきた誹謗中傷を主人公が行なっている(しかも圭吾は実の姉からなので匿名よりキツいはず)人間の加害性を等しく描写している。
ロングインタビューの時、ソファに座ってる時はリアルだけど、壁の落書きのとこに行ってからはフィクションになるとこも凄い。カメラマンが茶々を入れたのも、ここに関しては本能的にフィクションに感じたから言ってしまったんだと思う。

豊さんが一番観客に近い心情で物語を見ている存在なので、豊さんが泣くとこで泣いてしまう。
作中のテーマを体現する存在としてのMVPは砂田さん、個人的なMVPは豊さん。

映像:======A
脚本:=======S
編集:=====B
俳優:=======S
人物:=======S
音楽:======A
音響:=====B
【MVP】森下豊
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