もっと楽しい感じの映画かと思っていたので正直面食らいました。前半は現実世界パートの阿部サダヲさん中心に結構笑えたのですが、後半に向けて何やら悲しい闘病モノ要素が強くなるにつれて居心地が悪くなります。
ヒロイン役の芦田愛菜さんの体内の細胞たちの活躍が本作の本流の筈なのですが、赤血球の永野芽郁さんは歩いているだけ、白血球の佐藤健さんはアクションをやってるだけみたいな構成であり面白くなって然りなキャラクターの味が浮き出て来ません。仲里依紗さん、山本耕史さん、松本若菜さんなど個性的な面子も取って付けた様な趣きに留まり勿体ないです。
細胞同士の闘いなので殺傷ではありませんが、血飛沫さえないとはいえ次々とゲームみたいに敵を殺して行く感じが想定外にエグいので何か違う感じが終始漂います。
『翔んで埼玉』とは違うことをしなければ的な呪縛なのか、武内英樹監督らしさを感じられず、全体的にバランスの悪さが拭えない作品でした。