残念ながらトップスター枠から外れてしまったまま還暦を迎えたニコラス・ケイジ御大ですが、BC級作品に数多く出演し続ける姿には色んな意味で親しみしかありません。
そんな現在のニコケイが出演するに相応しい、アリ・アスターがプロデューサーを務めるA24映画という“斜め”な製作環境そのままな変則スリラーの珍品でした。
多くの人々の夢に現れる同一人物の男は、やがて夢の中で当事者を殺してしまうようになり、社会的に迫害されて行くことになる混迷ストーリーには理不尽しか付随しません。
ネットの拡散だけでなく他人の夢の中でも広がるな悪夢の連鎖は、世にも醜悪な事態を引き起こして行き、収拾のつかない絶望感は半端なく強烈に痛いです。
