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BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-のKUBOのレビュー・感想・評価

BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇-(2024年製作の映画)
3.6
今日の試写会は『BLOODY ESCAPE -地獄の逃走劇』【特別試写会】。

『ONE PIECE FILM RED』を大ヒットさせた谷口悟朗監督が原案・脚本・監督を務めた本作。

冒頭から主人公キサラギのビジュアルもアクションもカッコいい! アニメというよりバンドデシネという雰囲気。

97分という尺の中で、ともかく情報量が多い!

『進撃の巨人』の街のように高い壁で囲われた「クラスタ」という閉鎖都市。それぞれのクラスタ間の行き来は禁止されており、「新宿クラスタ」はヤクザが仕切っている。

この世界では人間の他に、ヴァンパイア族やゾンビ族など、複数の形態の人類の亜種が存在し対立している。

近未来のパラレルワールドのようなSF的設定は『コードギアス』の谷口悟朗監督だなぁと思わせる。

主人公のキサラギはヴァンパイア族の改造人間。人間離れした戦闘能力を持っているが、人に言えない過去も抱え、ヴァンパイア族からも、ヤクザからも追われている。

この「改造人間」というのが谷口悟朗監督が推すキーワード。「改造人間は完璧じゃないからいい。どこか不完全で影があるところがいい。『仮面ライダー』や『サイボーグ007』のように」。

またアクションがカッコいい! ポリゴンピクチャーズは以前は動きがぬるぬるしてあまり好きではなかったが、本作のアクションシーンはいい! これはCGだけどアクション映画ですね。

上映終了後のトークで、谷口悟朗監督は「最近のアニメ制作には制限が多くなって無難な作品しか作りづらくなってきている」とし、本作制作にあたって「立派な映画にしたくなかった」と語っていた。

手足が切れる! 血もドバッと出る! PG12指定で収まってはいるけれど、なかなかのヴァイオレンス!

おそらく谷口悟朗監督がやりたいことを全部詰め込んだSFバイオレンスアクション作品。見るなら、ぜひ大音量のビッグスクリーンで見てほしい。
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