【マイケル・スノウ、オブジェクト指向】 先日、実験映画の巨匠マイケル・スノウが亡くなった。マイケル・スノウといえば、「死ぬまでに観たい映画1001本」に掲載されている『波長』で知られている監督だ。マイケル・スノウ作品におけるミニマルなようで複雑、そしてクールな画は私の心を鷲掴みにする。1つの短編を切り刻み、1分の中に圧縮した映像を10回以上ループさせる『SSHTOORRTY』は短編映画の中ではオールタイムベスト1位の作品だ。『波長』を自ら15分に圧縮した作品『WVLNT (“Wavelength For Those Who Don’t Have the Time”)』は、ファスト映画論を考える上で重要な資料となった。『<--->』は、左右にカメラがパンさせ続ける作品だが、その運動の面白さに惹き込まれた。そして今回、追悼の意味を込めて『*Corpus Callosum』を観たところ、オールタイムベスト級に素晴らしい作品であった。