このレビューはネタバレを含みます
三時間もあったとは。時間を忘れて観てしまった。ただただ美しいなぁ…
ストーリーのテンポがよく、すごく面白い。
前半は菊仙にムカついて
後半は小四にムカついて
ラスト近くは「うおお…地獄…」
って感じだったな…
けっこうフラグが多くて、
菊仙の「私から離れないでね」とか、
虞美人の自害、蝶衣が芝居と現実の区別がついてないところとか。
あ〜…、これ別れるんやろな…、とか最期死ぬんやろな……とか…。
様式美ですよね。最期悲しい。
菊仙の方は、ムカつくと思ってたけど、あそこまでのことになっちゃうとは……かわいそうすぎる。
小四に主役を奪われた蝶衣に寄り添ってあげるシーンが、うまく言語化できないけどめちゃくちゃ好きだったなぁ
あのとき初めて「ありがとう菊仙姐さん」
て言うし。
なんかこう、嫌いだけどそこまで冷たくしきれないみたいな描き方がリアルですごい。
複雑な関係なりに繋がっていたのに、その糸が決定的に切れてしまった
誰も幸せになれない、なかなかの鬱展開…。
段小は、昔からいい奴だし大人になったあとも基本いい奴なんだけど鈍感すぎるし、
どっちつかずな態度、世渡りや保身を覚えてしまった所があり、
ラスト近くのあのシーンで地獄を生み出してしまう。ある意味一番人間味がある。
あの時の蝶衣の、「僕を裏切ったな…この僕を」「こんなに汚れ切ってしまった京劇は滅びるしかない!」等のセリフ好き。
やっぱ共産主義と毛沢東はクソ
刀ずっと出てきますね。
運命に逆らうなとか、淫売は死ぬまで淫売だ、など象徴的なセリフが多く、物語のフックになっていて、映画が上手い…
あのラスト近くでうっとり贈り物の宝飾品触ってたの小四だったんだというのを、解説で知った。ざまぁ!とちょっとだけ溜飲がさがる。
ショタコン変態ジジィが宦官とか、ボロボロのタバコ売りになってるのとかも考察で知った。
衣装で遊ぶ日本軍まじふざけんなよと思ったけど、鑑賞態度がめっちゃ真面目なのすげー日本ぽくてよかった。
歴史背景をもっと知りたい。