このレビューはネタバレを含みます
119分。
6歳の娘が失踪した家族と、それを追いかける報道記者の話。
内容が内容なだけにブッッッッッッッッ刺さったので、同僚・上司は🫵🏻今すぐ見ろ🫵🏻と思う(※人を指してはいけません)
刹那的に消費されてしまう『被害者家族』を追ってみようってストーリーなんだけども、石原さとみが演じる『追い詰められてどうしようもなくった""女性""像』、解像度高すぎてマジでビビった。
言いたい言葉が溢れるのに口が追いつかなくてはくはくしてる様子とか、瞬間的にカッとヒステリーになって様子とか……。
ロングインタビューを撮影するときに娘の性格がパッと出てこなかったくだり、「あ………えーと……」って目を泳がせるとこも素なのでは?みたいなリアクションしててスゲェ~~~~~~となった。わかるよ、日常がすごく遠いんだよね。
旦那・豊の寄り添い方もめちゃめちゃ理想でさ。「沙織里が感情的になるなら自分は冷静でいなければならない」っていう言葉はきっと本心で、かつ、自分だけは沙織里に寄り添わねばという気持ちがバチバチに伝わってくるよね。
目撃情報の提供者に会いに行くってなったときの豊の葛藤って「そんな遠い所に娘がいるわけがない」ってのより「情報がガセだったとき沙織里のメンタルが耐えられるか」っていう憂慮の方が強かったと思うんだよね。
その冷静さが沙織里の前では気丈に見えちゃうから2人の衝突も多くて、でもふとした瞬間に娘の姿を探しちゃってる。
ホテルの喫煙所でタバコを吸いながら目を真っ赤にする豊、言葉にならない悔しさが現れててしんどかった。
でもね~~沙織里もすごく強い女性だと思うんだよ。娘の同級生・さくらちゃんが見つかったニュースを見て、「良かった」って言いながら泣いてるとこ。あれ嬉し涙じゃないでしょ、悔し涙でしょ。
どうしてこの子は見つかってうちの子は見つからないんだろうっていう気持ちがボロボロ出てきちゃったんだよね。別に自宅なんだから素直に「悔しい、ズルい」って言えばいいのに、「良かった」って言っちゃう。
そういう姿を見たうえでの豊の「お前はすごいよ」って発言なのだと思う。
さくらちゃんで一旦夢を見させたうえで警察からのガセ電話、鬼畜の所業。
娘が保護されたという事実は""なかった""ことが受け止められず泣き崩れる沙織里。顔を上げて泣き喚く・失禁する・片手で窓口のカウンターにしがみつく、という姿、頭と体が追いつかずグチャグチャなんだなというのがめちゃめちゃ伝わってくるのでキチィ………………となった。
元はお前の責任だろと警察に非難される砂田さんも可哀想。
人の不幸をコンテンツにするなと言うけど、ぶっちゃけコンテンツにしなければ、エンタメが溢れかえったこのご時世において世間の誰も振り返ってくれないのよ。訴求力に最も必要なのは『痛ましさ』って和泉一織が言ってました。
虹がかかるラストシーン、娘の頭を影越しで撫でるところで無事に涙腺ブチ壊れました。
ロングインタビューで消し切れなかった落書きを見て言い淀むところ、最初てっきり「消さなければよかった」って言うのかと思ってたら「怒らなければよかった」なんだもんな~~~~~そうだよね〜〜〜〜〜娘に対する後悔の方が大きいもんね~~~~~😭😭
たぶんこれからも沙織里は光のなかに娘の姿を探すよ。日常の至る所に娘の面影を感じるから、一生終われないんだよ。だからing系なんだ………と思いました。
エンドロールも最高に泣かせに来るので、みなさんぜひ観に行ってください。