本当に吉田恵輔はオールウェイズレベルの高い作品を提供してくれるな…
「空白」に引き続きシリアス路線だけど、笑っていいのかわからない、でも笑っちゃう小ネタが随所に盛り込まれていて飽きさせない。緊迫した場面の中の「虎舞竜…？」とか、「男の子なの〜？」とかは反則。お手本のような緊張と緩和である。
石原さとみという女優の特色である"過剰さ"(素の時も割と過剰な喋り方をする)が功を奏している。本気で弟を殴っているのが良い。
石原さとみ以上に名演だと思ったのが青木崇高で、タバコを吸いながら楽しそうな家族を見て思わず落涙してしまうシーンは凄い。
吉田恵輔の最大の長所でもある脚本の"まとめ力"は健在で、どうしたら子供のリップロールと扇風機を重ね合わせるという発想が出てくるのだろうと思う。もう一つの特徴である"意地悪さ"は見たら誰もが忘れない石原さとみに"アレ"をさせるシーンひとつで爆発している。
追記
監督のインタビューを見てたら、緊迫したシーンが続いたらちょっと外さないと気が済まない、と言っていて同意しかなかった。また、「必要の無いエキストラ」(道端で口論する男女、警察署のクレーマー、ヤクルト1000の欠品に怒る客など)を配置することの重要性も語っていた。
