ふかい

憐れみの3章のふかいのレビュー・感想・評価

憐れみの3章(2024年製作の映画)
4.5
ランティモスの破茶滅茶な世界観が1作で3パターンも体験できるとは、なんて贅沢な映画だろう。見る前からワクワクが止まらなかったが、やはり期待以上の面白さであった。
ランティモスが描こうとしている主題、スタイルになぜこれほど自分がハマるのか言語化できていないのだが、ストーリーの中心にセックスがあるということと、リベラル一色ではない危うい政治性のようなものをいつも取り扱っているからなのではと思った。
あと「予想の斜め上を行く展開」と「ルールの中で暴れまくるスタイル」
第一章はテーマは面白いのだが進みが遅く、やきもきする展開が続いた。ジェシープレモンスの情けない男っぷりはとても味わい深い(捻挫するフリをしてあ〜とうめき続けているジェシー)
マッケンローの壊れたラケットというチョイスも絶妙でオモロい。
第二章が1番好き。自分たちのスワッピングの映像をみんなで見ようと誘うジェシー、イカれてる!指を切り落とすところとかは「イニシェリン島の精霊」を思い出したり。終わり方も現実と幻想が入り乱れてる感じで完璧。職質で男を撃っちゃうところ、リアルにあって声が各所から漏れて居た。
第三章、よくわからない…が、なぜか引き込まれる。動物への危害、レイプの場面など1番エグいシーンが多いエピソードでもある。水のないプールへの飛び込み、異常にトバす車など、画的なインパクトが最も大きくて楽しい。エマストーンの闊達なダンスはもうちょい見たかったが、最高のエンドロール、と思わせて最後はハンバーガー食べるRMFのワンショットという何ともシュールな終わり方。
ふかい

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