名波ジャパン10

ネクスト・ゴール・ウィンズの名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

4.1
公式戦30戦勝利なしどころかノーゴール。W杯予選で豪州に0-31の歴史的大敗という最弱チーム、アメリカ領サモア代表が外国人監督を招聘、公式戦初ゴールを目指して奮闘する経緯を描いた作品です。主人公はトラブルメーカーで私生活にも問題を抱えるポンコツ監督。これに31失点という屈辱を乗り越えて復活するGKやトランスジェンダーの選手まで登場し、漫画にもならない現実離れしたストーリーながら、これらがほぼ事実に基づくという正に現代の奇跡がコネディタッチで再現されます。弱小チームを立て直した監督の戦略部分をもう少し掘り下げて欲しかったという物足りなさはありますが、クライマックスのトンガとのW杯予選の試合には思わず胸が熱くなり、込み上げてくるものがあります。サモアの人々の大らかな生き方にもほっこりするサッカーファンでない方にもお薦めの作品です。