Jun潤

白鍵と黒鍵の間にのJun潤のレビュー・感想・評価

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)
3.6
2023.10.10

池松壮亮×仲里依紗×森田剛。

1988年、銀座。
ピアニストの博は、ジャズへの憧れを捨てきれず、キャバレーでピアノを弾いていた。
この街には、許可なしには決して弾いてはいけない“曲”があり、その曲を謎の男“あいつ”にリクエストされ、博は弾いてしまう。
そのことをきっかけに博はキャバレーを辞め、その足で音楽家が集まる喫茶店へと足を運ぶ。
博が出会ったギタリストでバンドマスターの三木は、博を軽くあしらうと“会長”御用達のクラブへと向かう。
そのクラブには博の先輩である千香子、初めて東京の店で歌うシンガーのリサ、そして唯一“曲”の演奏を許されているピアニスト・南がいた。
しかし一方で、銀座の路上を優れたピアニストを探しながら、“あいつ”が歩いていた。

ふーん、、なるほどなぁ。
期待していた感じではなかったかなという感じです。
序盤は時系列をシャッフルした南と博は同一人物なのかどうかという点から始まり、“あいつ”の存在でもって良い意味で有耶無耶にして、南もまた博と同じような出来事を経て夜の町で認められるようになったのではないかと思えるところに上手く調整して着地していたなという印象です。
後の博の状況も合わせてみるとまたちょっと面白いですね

しかしなぁ、終盤で急にアーティスティック全振りというか、それまで積んできた人間ドラマを全て無かったことにしてくるレベルで哲学的というか、概念的な話と描写に振り切ってしまったなという感じ。
せっかくいい具合に仕上がってきていたのに、ちょっと残念でしたね。

ジャズを扱った邦画としてはなかなかの完成度。
クリスタル・ケイの歌唱力に、吹き替えかどうか分別のつかない池松壮亮の演技でもってなかなか観応え、聴き応えのある作品でした。
Jun潤

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