TaKeiteaZy

リゾートバイトのTaKeiteaZyのレビュー・感想・評価

リゾートバイト(2023年製作の映画)
4.2
島の旅館に泊まり込みバイトに来た学生3人が、島の呪いにあたっちゃって、大変になるけど、途中からちょっと楽しくなってね?てなる話!

元ネタは2ch本怖だっけ?なんかそれとはだいぶ違うような...とも思ったけど、とりあえず何が起きるかわからない状態で観ました。そうか、きさらぎ駅監督の人か、納得。

おおよそ半分くらい「え?マジで大丈夫?」と思わせてくる出来でかなり心配しました。その後、ホラーフリークならもう知ってる「あの映画」をフィーチャーし始めて、あ、あれがやりたいのね、それはずるいよ、と思ったら都市伝説フリークならお馴染みの「あのキャラ」が出てきて、おいおい勝手にデビューさすなよ!てなって、最終的には「レクイエム」な展開になって序盤の「え?マジで大丈夫?」を全部伏線回収する超絶パワープレイ映画でした。で、最後の最後で「ふざけてると思ってた?」てカマシをかけてこちらをちゃんと狂気の正気に戻す。松ちゃんがM-1でミルクボーイ見た時のような顔で「いやー揺さぶられたねえ」となりました。感想も散らかるぜこりゃ。確実に録ってる側と演じてる側は楽しかったろうね。その辺は凄く良かった。

一つ言えるのは、これときさらぎ駅でこの監督は完璧に「トリックスター」の位置を確立したということ。俺が作るってことはこういうことなんだぜ、と思わせる作風は、次はどんな手使ってくる?と気になって観てしまうスキームの構築に成功している。これ、シャマランと同じだ。今の日本で映画売っていく上でこれはデカいと思う。多分次の作品も観ちゃう。

この散らかりがおもしろみと満足に繋がるか、ていうのは個々人の価値観によると思います。俺は面白かったね、と純然たる感想を言いたいところなんですが、呪怨で伽耶子に心底怯えて夜も眠れなくなっていた世代からすると「ホラーはなあ、てめえのオモチャじゃねえんだよ!」と喝したくなる気持ちも内在していますね。じゃあなんなんだっていうんだ、ていう話だが。
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