bluetokyo

私がやりましたのbluetokyoのレビュー・感想・評価

私がやりました(2023年製作の映画)
3.2
想像していたのとちょっと雰囲気が違うなあ。歴史ものなのか。それにしても、展開がスピーディーでメリハリが効いていて、セリフもテキパキしている。時代は1930年代らしい。なぜ、この時代にしたのかわからない。女性の参政権、トーキー映画、あるいは、原作があるらしいので原作にならった、というところだろうか。

大まかなストーリーである。映画プロデューサーにセクハラレイプされそうになった、売れない新人女優のマドレーヌは、弁護士のポーリーヌのもとに帰ってきて、女食い放題だと思っているスケベじじいには、ホント、うんざりよ! とぶちまける。
ところが、その映画プロデューサーは、直後に殺され、犯人にされてしまったのだ。もう、さいあく! な状態。

弁護士、ポーリーヌはひらめいた。裁判で正当防衛を勝ち取り、さらに、マドレーヌを女優として売り込もう。

思惑はドンピシャ。マドレーヌは一躍有名女優になった。

しばらくすると、二人の前にオデットという女性が現れる。かつては大女優と呼ばれたが、いまでは、すっかり忘れ去られた存在だ。
オデットは、二人に向かって言い放つ。わたしこそが真犯人よ!

原題が、その犯罪はわたしのもの、であるので、この映画のまさにクライマックスなのだろう。

たしかに、オデットは、かなりインパクトのある存在なのだが、話自体は、どうしたことか、しりすぼみになっていく。

日本語タイトルは、マドレーヌの裁判中の発言なのだが、むしろ、こちらの方が、ぴったりと思えるぐらいだ。

それにしても、殺されたセクハラ映画プロデューサーの、命の軽さっぷりが笑える。裏を返せば、それほど、女性の権利は、ないがしろにされていたのだ。

昔のことだが、ファミレスの店長の話。店舗には、事実上、正社員(店長)の男が一人だけなので、バイトのウエイトレスの女が食い放題だ、なんてことがあったりしたが、昔といっても歴史的なことではないので、まあ、この映画と同じような状況があったわけである。
bluetokyo

bluetokyo