すごくいいカモ...じゃなかった、すごくいいカモの親子だった。
本来なら当たり前の家族の姿のはずなのに、こんな風にお互いを心から思い合っている家族の姿って、しばらく映画で観てなかった気がする。
そりゃ映画だからエンタメが必要で、家族の映画となればゴタゴタやギスギスが良いスパイスになるのは分かるけど（そういう映画も大好きだけど）、こんな風にお手本になるような家族の姿を映画で...特に子ども向きの映画で観せることもすごく大事だと思った。ぜひ、ご家族揃っての鑑賞を勧めたい。
主役のマックは心配症の父親。序盤からいきなりイルミネーション作品らしいブラックユーモアをぶち込んで来てどうなることかと笑ったし、「ファインディング・ニモ」のマーリンの姿とも重なって不安が過ったものの、蓋を開けてみたら本当に理想的な家族の姿で心が温かくなった。
親なんだから子どもを心配するのは当たり前。
でも、心配し過ぎて子どもの行動を制限したり、頭ごなしに叱りつけたりするのは何かが違う。子どもの正義感や勇気からくる行動を否定せず「だったら、父親として自分がなんとかする！」と家族の前に一歩出るマックの姿が最高に"父親"でかっこ良かった。決して甘やかしてる訳じゃなく、子どもが一線を超えてやり過ぎた時は叱るのもしっかり"父親"でかっこ良い。
夫婦としての信頼関係も素敵で、心配性な夫とポジティブな妻という真反対の性格ながらも、お互いのそういうところを心から尊重し合っていて、時に励まし合い時に助け合い、対等で純粋な愛情で結ばれているのがすごく良く分かる描かれ方だった。しかも「♪Survivor」って予告だけの曲かと思ったらきちんと劇中で使われていて、お気に入りのシーンのひとつになった。
「プーと大人になった僕」の時は実写と声が合わな過ぎてめっちゃ貶しちゃったけど、今作の堺雅人の吹替はすごく役に合っていたのも良かった。
誤解のないように言わせてもらうと「プー僕」の時も別に下手だったわけじゃなくて、堺雅人って声優としても本当にすごく上手い人だから、こういうアニメ作品にはむしろどんどん出て欲しい。
そこまで歴は長くないけど、それでも10年以上堺雅人を推してる身からすると、結婚してからの堺雅人って本当に雰囲気が変わったと思っていて、番宣とかでも以前よりすごく余裕を感じるというか、すごくリラックスして見える。結構あからさまに変わったから、昔からのファンならみんなそう感じてるんじゃないかな？
先日、家族揃ってドラえもんの映画を観に行った姿がパパラッチされてたけど（放っておいてあげてと思ったけど）、そんな日常の断片から感じる"父親"としての堺雅人がしっかり役にも反映されていて、本当にピッタリの配役だったと思う。続編もぜひ作って欲しいな。
