モノクロに降る雨が腐るほど心地良い
映画監督の栩谷と脚本家の伊関に愛された祥子。彼女の無理心中をきっかけに、二人は偶然出会い雨の一夜を過ごすことになる。
同棲生活を話す二人の情けなさと哀愁と思い出の美化。そこに共感して、一緒に笑いながら泣ける気持ちが込み上げる。『ラストタンゴインパリ』からの流れは多分ずっと覚えてる笑。なのに奥底には祥子の死の原因がはっきりしなくて後ろ髪をずっと引っ張っている。このバランス感が好きになれるかで全然違う。
雨降る階段に踏み込むシーンと、過去の思い出がカラーになっているところが違和感なくラストシーンへ導いてくれる。