大島育宙

首の大島育宙のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.6
文字通り死ぬほど面白かった…
座頭市+アウトレイジの色濃いからパブリックイメージ的には大クリアだと思うし、
みんな〜やってるかなどのコメディ風味もあるから往年のファンも楽しめるはず!

◆バトル・ロワイアルばりの死に方大喜利
マジで同じ死に方の人が1人もいないし、
死がインフレして薄まることもない。
初期から漂う北野武イズム=生の世界への諦念と死への憧れを信長(加瀬亮)と秀吉(北野武)がちゃーんとやってる。筋が通ってる。

◆よくR-15でいけたな…な残虐描写
このレベルの切り株映画がこの規模で公開されるのは前代未聞だと思う。とにかく断面、断面、断面。有名役者の生首ゴロゴロ、すげえ…

◆北野武表現の危うさ
人種とセクシャリティへの差別笑いの要素、
不安だったけど逆手に取った快刀(回答)に
なってる部分もあり、単純無神経ではなかった。
北野武の人権感覚は意外と変化してってる。

◆とある人物vsとある人物の一騎打ちがえげつなかった。顔だけ!

◆アウトレイジ最終章辺りから指摘されていた監督としての演出感覚の衰えが良い方に転んだかも?と思える部分も多々。現代劇だと、繋がりが不自然だと「いや、いつ歩いたんだよ」と冷めるけど、忍者も脱け忍もいる世界で、侍も百姓も独特の身体感覚があると思える。誰がどこに忍び寄ってても違和感がさほどなく(意図した部分かはわからないけど)問題なく没入できた。

◆ラスト、下衆すぎて最高!冒頭はテンポが悪くてちょっと不安になったけど加瀬亮が出てきてからどんどん面白くなるのでご安心ください。

◆大森南朋と浅野忠信がコメディ担当です。荒川良々さんのシーン爆笑でした。

※公開後に加筆