出世競争に入れ込む愚かさや戦国時代の汚さは細かい仕草含めてリアルな人間心理をよく描けています。北野ブランドを差し引くとかなり普通の映画ですが、安定のクオリティ。
鑑賞前はとても心配していましたが、過激なシーンは意外とサクッ過ぎますし、グロテスクな部位は特殊効果やCGが荒いので、それほど気になりませんでした。
コミカルシーンとしてはたけしトリオと無限家康が好きです。大森南朋の弟演技も良かった。加瀬信長は暴虐全振りのようでいて垣間見える愛情深さも味わいある演じ方をされています。
ほぼ満員の劇場が笑いで包まれたのはたけし組シーンか村重のシーンかという状態で、皆が跡目争いに奔走するなか自身の恋慕という狭い感情世界が第一な村重の異質さを一生懸命に演じられるほど輝く遠藤憲一。
抜け忍周りがどうしたって演技もカットもつまらないのですが、所謂いつメンなので本監督の映画を観る限り仕方なし。
ただ、狂言回しを兼ねているので登場時間がやたらと長いです。
エンドロールの入りは擁護できないダサさかも。
