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若き仕立屋の恋 Long versionのEyesworthのレビュー・感想・評価

若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)
4.5
【ハグという採寸】

ウォン・カーウァイ監督の2004年の作品。オムニバス映画『愛の神、エロス』の中で手掛けた短編を、12分伸ばしたロングバージョンで劇場公開したもの。

〈あらすじ〉
舞台は、1960年代の香港。仕立屋で見習いとして働く若者チャンは、ある日美しい高級娼婦のホアに出会う。彼女に瞬く間に魅了されたチャンは、それから幾年にもわたって彼女が他の男たちのために着る服を丹念に作ることに。しかし、やがて時が経つと…。

〈所感〉
衝撃的なオープニングの手コキ。こんなことされたら、チャンでなくとと童貞男子は皆ホアの虜にならざるを得ないでしょう。男なんてそんな単純なもん。「いい仕立て屋になるには大勢の女に触れなさい」はい!今日から仕立て屋目指します!仕立て屋のチャンがずっとずっと恋焦がれるホアの服を仕上げている時の手つき、これは最早愛と言って良いでしょう。どんなに年月が経っても、「あなたのサイズは自分の手が覚えている」なんてエロチックな言葉の響きでしょう。ハグという採寸によって、伸縮自在に愛は形を変えてあなたの裸体を包む。ウォン・カーウァイ監督らしい古ぼけた街、湿った密室の男女を描いた美しきロマンスでした。
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