ねぎおSTOPWAR

ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.0
ちょっと通常とは違った意味で描写が”すごい”っす!
ジュードロウもアリシアもとんでもないっす!
ヘンリー八世と、6番目の妻の話ですから、16世紀です。
種子島に鉄砲持ったポルトガル人がやってきた頃、ローマ カトリックからイングランド国教会を分派独立させたのがヘンリー八世であり、当時のそれとプロテスタントとの対立も物語の背景というか重要な点のひとつです。
だいぶ近代に近くなってきたとは言え、その生活はかなりプリミティブ!
画面の端々から感じられるのは「こりゃコレラやペストが流行するってば・・」という不潔さです。イングランドに限った話ではなくそりゃね、日本だってね、江戸時代ですらばっちいのは当たり前ですからねー。話を映画に戻すと、それらは本当にいろんなシーンに見られるんですよ。晩年のヘンリー八世はまあ酷かったらしいんです・・脚は病んでいたもののシモはご健在で、妻の横でとある女性を呼び興味を示す場面があるんですけれど、そこの気味の悪いこと!!
何するかはあえて書きませんが、わたしは思わず顔を梅干しにしてしまいました。🤣
映画って匂いは感じられませんが、こことあと脚の治療のシーンは匂いました!!😡

画がね、かなり作為的に詰まったもので、視界を限定します。
ヨルゴスランティモス「女王陛下のお気に入り」だとワイドレンズで装飾はほぼほぼきちんと観られるのに対して、せっかくの造作もよく見えない・・いえ、別のショットで映っているんですけどね。
観客に今何を見て感じて考えて欲しいかがよく伝わる画です。
プラス、サスペンスなんですけど、その軸に迫る過程の諸々の演出が壮絶でもあります。
だからね、決して楽しくは無いです。

で、それら壮絶さの描写がね、R15(だったかな?)ですし、相当にセンシティブです。
だからクレジットでインティマシー・コーディネーター探したらありました・・ IMOGEN KNIGHTという女性の名前。そもそもはいわゆる振り付けをしてきた方ですが、そこから範囲が広がったと思われます。16世紀の人間、それも王族の動き、食事の仕方、夜の嗜みの動き・・・
こういう方が現場にいるから役者は安心して演技できるんですね。

エンディング曲はわたしには最悪!!もう一度言います、何?何故?ばかり浮かぶ選曲でしたが・・
まあまあ是非ご覧いただきたい作品でした。