aihona

PERFECT DAYSのaihonaのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.5
アンドプレミアムの「ひとりのじかん」をみて
映画館鑑賞  

いいレビューを書こうとしていた中で、悪いレビューが1件でもあれば揺さぶられる自分の軽さ。
いろんな考えがあるっていう基盤と、だからこそ揺さぶられる自分の心のあり方を何度も考えた2023年で、その度に他者関係なく自分の考えを大切に持っていようと思って過ごしてきた。

という今年最後の映画館で見た映画、わたしはやっぱりこんな映画が好きです。
海外の監督が撮っている日本題材の映画・田中泯さんが出てる映画・東京の公衆トイレに着目した映画 が製作されているらしいぞというキーワードを個別で覚えていて、それが全部この映画のことでした。

そんなに多くない映画鑑賞歴のなかで、海外に住む人が日本を撮ったらこんなに新鮮なものになるんやな〜っていう気持ち。
すごく静かな映画で、ほうきの音や畳のギシギシする感じとか水の流れや息遣いを除いて、やっと初めに発されたセリフは主人公のものではなかったり。
カセットテープから流れる音楽と東京の風景がなんか全然マッチして感じられなくて、わたし自身に「日本はあんまりかっこよくない」フィルターがかかってるような気がした。
音楽、全部よかった。
下北沢のレコード屋さんはわたしたちも何度か足を運んでいる場所で、カセットテープってあんなところにあったんやっけ?とか。カセットテープもいいなー

トイレの床ノゴミを素手で取るとか、便器を拭いた手袋と同じ手袋で他のところを拭いたりとか、トイレは綺麗じゃないって感情は棄てられへんけど、トイレ清掃員の生活を憧れるルーティーンと共に描いてくれるのは、わたしにとっては助けになる。本人が良ければいいんよなと。

あと、はじめのシーンから何度も繰り返される朝と夜のルーティーン。
朝起きて布団を畳んで下に降りて歯を磨くっていう流れとか、自然な動きになるように何回かシュミレーションして演じてるんかな?
大雑把な仕草をする箇所と、ここは丁寧にっていう箇所がはっきり分かれていて、平山さんの性格がなんとなく想像できる。

ものを映す構図や角度がすごく良くて、何度も見るうちに観客は覚えさせられる。
次に別の角度から見たときに、あーあの部屋のアレね、とか、これってこうなってたんやーとか、そういう勝手な楽しみ方もできる。
aihona

aihona