『生きている世界が違うから』
『じゃあ、私は？』
誰かと誰かの世界が…
影が重なり、
その日のルーティンが乱されたり、
PERFECT DAYSになったり。
小さな瞬間に幸せを見出している
主人公の表情ー
役所広司さんの芝居が素晴らしい。
本人の台詞はほとんどなく、
最低限の挨拶、頷き、表情のみで
感情表現をしている。
台詞がない分、
しっかり他者から
『何でこの仕事(清掃の仕事)、
始めたんですか？
地味だし、汚いし』
『独身ですよね？
寂しくないですか』と
主人公を俯瞰して捉える部分もあり、
演出が巧み。
ラストカットの長回しにおける
役所さんの表情の余韻が凄い…
中盤までは
清掃という仕事に生きがいや、
小さな瞬間に幸せを見出し、
マイナスな感情を見せる側面が
少ない。
この映画の素晴らしいところは、
綺麗事の側面だけではなく、
現実の汚い側面も
可視化させているところ。
若手がいきなり辞めて、
いつも以上に
色んなトイレを駆け回り、
清掃するという
仕事が嫌いになりそうな瞬間なども
しっかり描く。
だからこそ、その上で
小さな瞬間に幸せを見出し、
笑顔を浮かべる主人公の表情に
救われる。
ラストカットの涙を流しながらも、
笑顔を浮かべる表情が
特に印象深い。
この映画にこれから、
何回も救われそう…
