主役になるとどんな役でも役所広司-The Movie-になってしまう役所広司が高齢のトイレ清掃員役ということでケン・ローチ的な話かと思ったが、貧困によって医療保険に入れなくて適切な治療を受けられなくて苦しんだり税制に憤って役所が役所で暴れたりする映画ではなかった。
穏やかで慎ましく丁寧でシステマティックな暮らしというのは映画で見るととても魅力的に映るが実際やるとなると相当ルーティンへのこだわりが強くないと無理なんよな。こういう生活はこういう生活を素敵だと思える人にはできないというか。
随所に外国人が日本人を撮ってるなという違和感はあるけれど（それこそパターソンに出てくる永瀬正敏みたいな）そういうところも含めてとても魅力的というか映画的ですごく良かった。
平山の過去はかなり凄い人だったんだろな…だからこそこの普通の生活を慈しんでるんだろう────そう、ファブルのように────と思ったときに出てきた人が「佐藤です」って名乗ったのでちょっとドキッとしました。福ちゃんやフラッシュディスクランチなど、つい最近行ったばかりのところが出てきたのもドキッとしました。にしてもAnimalsとかLou Reedのカセットそんなすんの？帰りにサントラ聴きたいと思ったけどApple Musicにはござらんかった。
豪華ゲスト陣は多少ノイズになるし（Cat Lady）三浦友和が出てきたときの出、出、出ーー！！感もすごい。あとはどこもかしこもトイレが綺麗過ぎてモヤったりもするが、なんだかんだで2023年をほっこり終えられる映画で良かった。
