ああ、これがわたしが住む東京です。古いものと新しいものがただ無秩序にすぐ傍らに同居して、目を向けるだけでそれらはある。一見変わり映えしない日々を過ごし、雨の日も晴れの日も木の葉から溢れる空を見上げて写真を撮る。
小さく留めておきたい夢のように朧げな記憶。いつの間消えて、ここに何があったのか誰の記憶にも残らない。それが東京。わたしの都市。孤独の人達がたくさん暮らす都市。そんな人達の影が重なって濃くなるはずだ。光に透かした葉の一枚一枚の重なりのように。東京わたしの居場所。
桜橋を自転車で走りながらカメラは遠ざかる。この橋は二手に分かれているのよ。亀戸の神社の裏、早朝箒で掃く音。それが聞こえる住み屋。家路へと帰る主人公の進む道と反対方向の車線は渋滞している。そういう、街の痕跡。
福ちゃんで焼きそばを食べようか。