serina

PERFECT DAYSのserinaのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

年末年始にインフルからダラダラした生活を送り続けてたんだけど、この映画を見た翌日のわたし。5時にシャキッと起きて、その日のやること終わらせ、ジム&サウナ済ませて、スマホを見たら9時50分、映画の力はすごい。日光がいつもよりあったかく感じたのは、平山さんが撮りためた木漏れ日の写真たちの影響。1日そこそこ充実させて仏クラスの帰りの電車の中、スポティファイで誰かが作った『パーフェクト・デイズ』のプレイリストをいつもより音量大きめで聴きながらレビューしてる。このあと、21時半に就寝予定。

平山さんが朝パッと目を開けて、すぐにぬくぬくせず、スマホも触らず、さっと身体を起こして、布団を隅に重ねるシーンを見て、「こんなヤツいねーよ。」となったし、「このあと、オンボロの家で手作り味噌を使った豆腐味噌汁でも作り出して、パーフェクト・デイとか言いだしたらボロクソ言ってやる」って心の中でファイトポーズしちゃうような冒頭。でもそんなことなくて、毎朝缶コーヒー、昼はコンビニのサンドウィッチ、忙しい夜はいつ買ったか覚えてない埃を被ったカップ麺。人が作ったものとしては、ピンボケのポテサラが映るくらい。日本って食文化も街並みも独特な部分を切り取ればエモ映画作りやすいと思うんだけど、ありきたりを除いて描かれた日常は、時間が経つほど味が出てくる。平山さんが涙を流す2つのシーン、どっちも一緒に泣いてた。家族とハグした後に1人で部屋で泣いたことあるし、北海道で音楽を流しながら運転してて、なんでもないのに過去を回想して泣いたこともあったから。

正直、平山さんの周りに登場する女の子たちは、少女漫画でヒロインが恋する男の子並みに現実離れしてる。キャバ嬢がカセットテープの音質に魅了されたくらいでキス逃げなんてしないし(壁ドンくらい変)、本読んでるだけで「インテリね」なんて微笑む歌がうまくてド級の美人ママさんが寂れたスナックなんてやってなさそうだし(わたしが知ってるママさんは辛口系)、小さい頃にあったきりのおじさんの前で無防備に服を脱ぎだすなんてことない…と思う。でも、田中泯みたいに樹木と一体化しようとする人、絶対にいないそうだけど、新宿御苑で見たことあるんだよな。
serina

serina