このレビューはネタバレを含みます
東京国際映画祭でも気になってて、もうすぐ終わっちゃいそうなのでお得デーで観てきた!
いやー、色々考えたし感じたし余韻が尽きない映画。
ヴィムヴェンダースちゃんと観た事無かったんだけど、このテイスト好きだわーー。。
最初世界観に入るまでは冗長に感じてしまったけど、終わる頃にはすっかり監督のファンになってしまった。
私自身も実は平山みたいな所もあって、
カルチャーに触れられればそれで日々満足できるような所もある。私はどちらかと言うと新しいものを開拓したくなる性質だから、お決まりのコースをあそこまで作り上げられないけど、いつもの缶コーヒー飲んで、お気に入りの銭湯行って、いつもの店で飲んで食べて、寝る前にいつもの本を読み進めて。なんかすごく素敵な生活じゃないか。
平山はすごく内面が豊かな人だと思う。
社会的な地位、立場からはそう思われにくいと思うけども。
けど彼の周りの人達はそんな彼の魅力に気づいて彼に惹かれて行く。(人間的に)
あんなに寡黙な人なのに、どこかお茶目で包容力がある。
姪っ子が帰ってしまった後、彼が泣いていた意味はなんだったのかなあ、と色々想像する。
彼女と過ごした時間を思って寂しくなったのか、妹?と話して色々あった(と想像される)父親が痴呆で老い先短いという事を聞いたからか、全く価値観の違う妹に自分の社会的地位を見下されたと感じたからか。いや、後者は無いかな。彼は自分の仕事にやり甲斐を持って誇りを持っていそうだからな。
印象に残ったセリフは、平山姪っ子に言う「実はこの世界には色々な世界がある(=同じ空間、時間を生きていても、人によって見えているもの、見ようとしているものは違う)」というところ。当たり前の事なんだけど、すごくハッとさせられた。
どんな恵まれた環境に身を置いていようと、自分の内面の豊かさが無ければなんの意味もない、決して満足は得られないという事。結局人生って自分をいかに自己満足させられるかって事なんだろうな、究極のところは。それができればどんな境遇であろうと誰だって幸せに一生を終えられる。
個人的に思ったのは、あの生活をこの刺激だらけの東京のど真ん中で出来るのがすごい。
私は田舎ならあのシンプルライフが出来たけど、東京にぶちこまれたらきっと目移りして自分の世界が騒がしくなってしまう。それはそれで良いんだけども。
てか下町情緒やっぱいいな〜。。
次々に登場しては去って行く人物達がなんとも豪華なキャスト。皆憎めない。リアリティのある描写がすごい。
ベルリン、天使の詩も見たくなった!!!