喋ってしまうと、喋らない時の寂しさを思い出してしまう。
変化をしない事。時代に留まってしまう事が、老いる事だと思っていた時期がありましたが、最近は自分の好きな時代にとどまるのも悪くないと思う。
豊かさを知っている人間で、ルーティーンという無機質な繰り返しではなく、天気を見て聴く曲を決めたり、木漏れ日を残したり、楽しむことを忘れない。
そんな完璧な日々でも、捨ててきたものへの後悔はきっと消えないのだろうと。
the animalsに始まり、ニーナシモンに終わる。
音楽のチョイスもドンピシャ。
僕自身も何度も通った橋を、彼もまた通っていたのが印象的でした。
石川さゆりに、三浦トモカズが緒形拳みたいな味を出していたり、田中民が遠目のカットだけで出ていたり、周りを固める役者も隙がない。
良いところが多い映画でした。