【ラストシーンの平山の涙の意味とは?】
ラストシーン。
平山はいつものように仕事へ向かう車の中で涙を流して映画は幕を閉じます。
それは、毎日続くトイレ掃除に対して嫌気がさしたのか?
がんを患った飲み屋のママの元夫への哀れみの涙なのか?
ラストシーンの直前。
がんを患ったと告白する元夫と影を重ね合わせる遊びを通じて平山は力強く説きます。
「(人が生まれ死ぬことによって)何も変わらない、そんな馬鹿なことあるわけ無いじゃないですか」と。
この台詞から考えるに、
平山も何かしらの大病を患っているのかもしれません。そうでなくとも、年齢などから自分の人生の先がそう長くはないことは悟っているという状態なのでしょう。
だからこそ、トイレ掃除や自分の周りの人たちとの交流通じて残り少ない時間を丁寧に淡々と生きようとしているのだと感じました。
そして、その日々の繰り返しの中で
生命の尊さと生きて死ぬという残酷さに涙したのだと理解しました。
全編を通して、禅のように静かで力強い映画でした。
近くでやってなかったので足を伸ばしてみましたがよかったです。