Jiyong

PERFECT DAYSのJiyongのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
3.8
日々ちゃんと「生」に向き合って生きる人間の物語的には何の変哲もない日常を観るのが好きなので、大変心地よく2時間を過ごしはしたが、この作品を全面的に賛同するわけにはいかないなと思った。

まず留意しなければならないのは、平山はこの生活を望んで選んでやっているということ。そしてトイレ清掃という仕事はこんなものではないということ。
作品内で触れてはいるが、トイレ清掃を好んで人がやらないのは汚いからである。
東京以外の人が見たら何だこのトイレは?となるような面白トイレ博覧会といった様相を呈していたが、朝イチのゲロにはじまる見たくも嗅ぎたくもないものが当たり前にあるのが公共のトイレなのは言わずもがなである。

以上のことを踏まえたうえで(描かれていない醜さを想定したうえで)平山の生活に(選んでできる立場で)憧れるならそれはその人の勝手だけどね。
貧困層が実は豊かな人生を歩んでいるという歪んだ理想を産みかねないかもしれないな、と考えたりした。
ただ僕は平山さんの生き方自体は(肯定するか否かは置いて)好きである。
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