ニタ

PERFECT DAYSのニタのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0
役所広司を初めて見たのは、昔の大河での織田信長役だったと思う(※私は中学生くらい)。
何この人‼️って目が吸い寄せられるような精悍な顔つきが思い出される。
年月を経て、本当にいいお顔に。
ハンドルを握りながら涙ぐむラスト。訳もなく訪れる感情がスクリーンを通してこちらにまで沁みてくるような気がしました。


スカイツリーに見守られて倹しく暮らす1人の男の話は、ひたすら彼の日常。

寝過ごさない為なのかカーテンは閉めない派?(網戸もなかったような?)
外を掃く竹箒の音。
本に囲まれた寝床。
植物を愛でる人はきっといい人。
棚に置かれた小物を順に取っていく手つきになぜか安心する。
朝のコーヒーとカセットテープ。
生真面目な仕事振り(常に10段階の10‼️)。
あんなに鍵持ってるのに自宅閉める描写がなくってちょっと笑った😊(空を仰ぐ彼もいつも笑顔😊)
境内ベンチで食べるサンドイッチ(OL役長井短、雰囲気⭕️)+木漏れ日。←木漏れ日という英語はないって以前TVで言ってましたけど本当でしょうか?


フィルムを出し、出来上がった写真を受けとる際に店主と「ん」の言葉くらいしか交わさない。
古本屋、行きつけの居酒屋(甲本雅裕店長の「お疲れ!!」がよかった~私にも言ってくれ!)、どこも短い滞在なのに心地よい空気感。
ママ(まんま"さゆり"🎤笑)の唄を聞きながら飲む酒はうまかろう。ママも元夫も主人公も、その他の人たちも色々あったんだなと感じさせる。
誰でも皆色々ある。

色々あっても"今度"と"今"のバランスをとりながら誰しも前へ進まざるを得ない。
主人公は自分だけの日常を大切に丁寧に生きる。

こぼれ種から育ったモミジの苗を持ち帰る様子。
タカシ(柄本時生)の耳たぶを触っていた子の仕草を思い出すところ。ガス欠。
おじさん同士の影踏み。姪との時間。
見知らぬ人との○✕遊び。
時折訪れる変化も、1日の終わりにはきちんと消化してまた翌朝を迎える。平山(主人公)の日々は充実している。


妹(麻生祐未)に紙袋ごと渡されるクルミッ子(←この後久しぶりに食べました😋‼️)。
平山の人生がどんなものだったのか、観る者は想像するしかない中で、でもきっと今は確実に昇華され、木漏れ日のように優しい光を投げ掛けてくれているように思えた。

人生は続く。
ニタ

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