マツタヤ

PERFECT DAYSのマツタヤのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0
哀れなるものたち、見に行こうと思ったら近所の映画館では上映終わってた。意気消沈したけどPERFECT DAYSがやってたのでオー!ってなって見てきた。

変化のない日常を淡々と描く映画なのかと思ってたら思ったより毎日色々なことが起こって楽しめた、あっという間の2時間だった。
(ヴィムヴェンダースってゴールキーパーの不安やエンドオブバイオレンスとか過去に数え切れないくらい寝落ちした記憶が強いのでそういうのがうまく、変わらない毎日にちょうど良くマッチして演出されてるのかなとかって見る前は勝手に想像してた)

役所広司がサンドイッチ食べたり缶コーヒー飲むたびに自分もコーヒー飲みながら見て没入感楽しんでたら隣の見ず知らずの人まで途中から缶コーヒー開けておんなじタイミングで飲み始めた、そんな皆んな役所広司感マシマシ劇場だった。

こういう何気ない日常を大切に生きていく生き方って良いなあという憧れはあるけれど、この映画の説得力というか、妹が出てくるシーンで父親の話が出てきて役所広司の今の生き方の背景が垣間見えるところだよね、ぼーっと生きてきたからだとか、ほっておかれたからそうなったんじゃなくて、きっと学もあって経済的にも豊かだったのだろうけれど家庭環境であったりその他、人が生きていく上では生きづらい世の中だったりして、その中での生きる一つの道としての選択の結果みたいな。だから簡単に、こうやって生きていたらさぞかし幸せだろうなあとかって安易に考えてもいけない気がした(妹が、好きだったでしょって手渡してたの、くるみっこだったし、ってことは鎌倉に昔住んでたんだとかも)

石川さゆり、良かったねー。ギター出てきちゃったの、じゃ歌うね〜って所、可愛かったし。

全然中身は違うけど、この映画見てたら結婚前の40歳までホテルのスタッフしながら自由気ままに生きてた自分の父親思い出した、きっとこういう生活してたのかなあ、とか。タバコのPeace吸ってるのとか一緒だったし(親は箱の鳩の絵はノアの方舟で大洪水のあとに戻ってきた鳩って話が好きで吸ってるって言ってたけど結構キツいタバコだよね、劇中でも結構むせてたし)

そうそう、カセットで聴くとやっぱり違うってシーンあって、似たような話ではレコードとかで聴くとやっぱり違うってのよく聞く話しだけど、あれ逆の話は自分よくある。というのは昔レコードとかで聴いてたすごい好きな曲がCDとかサブスクで今聴いても、なんか心が揺さぶられない感じとか。元々最近の曲で初めてサブスクとかで聴く分には全然良いんだけど、特に昔はイヤホンとかじゃなくて家でスピーカーを通して聴いていた、その場の空気も含めたその場所でしか味わえない感じ込みでの音楽だったような。この映画で流れるルーリードやヴァンモリソンとかはまさしくそんな感じ。って話してたらキンクスのヴィレッジグリーン無性に聴きたくなったのでspotifyで聴こ(結局どっちやねん
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