マツタヤ

ボーはおそれているのマツタヤのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.5
やっぱあのドアの下の隙間から色んな文句書かれた紙切れがどんどん入ってくるの好きだわ。IPPONグランプリで大喜利みたいにしたらどんなの出てくるか見てみたいぐらい。そんで見たくもないのにベッドのところまでスルーッて紙が滑ってくるのとか凄い恐怖新聞とかのホラー漫画っぽくて静かな館内で声出さずに笑った。
そして今作はひたすら声出さずに笑ったシーンは数多し!(だったら声出せや!)
愛すべきキャラも多し!キャラでいったら前半の自宅アパートの周りにいたヤバい奴らが最高だった(今後アリアスター が好きそうなキャラという代名詞の使い所を学べたような作品だ)。トニもね!
とにかくそんなこんながずっと3時間続くので聞く人によっちゃ敬遠してしまうのかもしれませんがご安心ください。この作品は上質な栗を何度も何度もシロップにつけて仕上げたマロングラッセにさらに砂糖をアイシングするかのような畳みかけ方ではありますが、そのアイシングの砂糖は甘すぎず上品な味わいに仕上がっています!とっても美味しかったです!
だって実際終わった後のエンディングロールでもちゃんと席たたずに(二、三人は帰ったけど)なんかあのひっくり返ったボートを館内みんなで眺め続けるというシュールな展開もこの映画ならではの一体感!(そうそう、エンディングロールって黒いバックだと作品が走馬灯のように脳内で再生されるんだけど、この映画のように象徴的なシーンをバックにそのまま流れるエンディングだと、よりそのシーンが気になっておまけにそれがよくわからないシーンだと余計に置いてかれた感が増す効果があるんだと実感。思えばツインピークスとか未来世紀ブラジルとかも大体そんなだった気がする)
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