このレビューはネタバレを含みます
写真をなぜいつも同じ木で白黒に撮るのだろう?と思って観ていたけど、エンドロールの最後の最後、木漏れ日についての言葉でこの映画に込められたメッセージを私なりに受け取りました。
木々の織りなす木漏れ日による光と影は同じように見えて同じことはない、それは単調に見える主人公の人生も…。
この木漏れ日についての言葉が美しかった。
「足るを知る」という言葉が思い浮かぶような主人公でした。
住まいにも仕事にも卑屈になることなく感性豊かに毎日を生きている主人公。
朝自販機でコーヒーを買い昼食は公園でサンドイッチを食べ仕事が終わると自転車で銭湯へ行き、帰りにいつもの飲み屋に寄り一杯飲んで少し食べて帰ってくる。
毎日が同じルーティンで単調だけど、「働いて、食べて、寝る」だけの毎日じゃない。音楽が好きで、趣味の良い本を読み、写真を撮る…
感性が豊かだからとても豊かな暮らしに見える。私もあんな風に生きたい。
おしゃれなトイレたちが舞台に選ばれているのも映画の美しさに華を添えていました。
映画は素晴らしい、と思える作品でした。